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X-MEN史上最高傑作と名高い名作が登場!
X-MEN:ダークフェニックス・サーガ
X-MEN:ダークフェニックス・サーガ(2019.5.31発売)

[ライター] クリス・クレアモント
[アーティスト] ジョン・バーン
[訳者] 沖恭一郎
[レーベル] MARVEL
本体3,100円+税/B5/200P
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4年前から張りめぐらされた伏線とは?
2000年にアメコミ映画の先駆けとしてスタートし、スピンオフ作品を含め12本が公開された『X-MEN』シリーズ。製作会社である20世紀フォックスがディズニーの傘下に入ることが決定し、19年にもわたって続いてきたシリーズが終わりを迎える中、その最終作として2019年6月に日本公開となったのが『X-MEN:ダーク・フェニックス』でした。この映画の原作が、X-MENコミックス史上屈指の名作『X-MEN:ダークフェニックス・サーガ』です。
本作が発表されたのは1980年。1975年にリニューアルされた『X-MEN』(通販限定『X-MEN:アンキャニィ・ジェネシス』にリニューアル直後のエピソードを収録)は、サイクロップス、ジーン・グレイら旧メンバーに、ウルヴァリン、コロッサス、ストーム、ナイトクローラーの新メンバーが加えられたことでキャラクターの層が厚くなり、シリーズを通して数々の伏線が張り巡らされ、徐々にそれが回収されていくストーリーも相まって大きな人気を得ます。
そんな人気の中で衝撃的な展開が描かれたのが『X-MEN:ダークフェニックス・サーガ』でした。本書の伏線は、なんとその刊行の4年前の『X-MEN #100』から始まります。宇宙での戦いに勝利したX-MENは、地球に帰るために破損したスペースシャトルで大気圏突破を試みなければならない状況に陥ります。そんな中、ジーン・グレイは仲間を救うため、大量の宇宙線を浴びながらもテレキネシスを駆使してスペースシャトルを操縦し、自らの命と引き替えに仲間を地球へと運びました。死んだと思われたジーンは、強力なパワーを持ったフェニックスとして復活、その後は最強のX-MANとして活躍します。しかし物語が進む中で、そのフェニックスの能力は、ジーンに様々な弊害をもたらし始め、『X-MEN:ダークフェニックス・サーガ』が幕を開けることになるのです。
X-MEN史上最高傑作!
本作は、ジーンの能力に目を付けたヘルファイヤークラブが彼女の心の闇を利用しようと暗躍する中、プロフェッサーXは新たな二人のミュータントの存在を感知して接触を試みるところから始まります。若きミュータントのキティ・プライドのもとを訪れたプロフェッサーX、ウルヴァリン、コロッサス、ストームは、ヘルファイヤークラブの罠に嵌まり捕まってしまいます。
一方、サイクロップス、ジーン・グレイ、ナイトクローラーはもうひとりの新たなミュータント、ダズラーと接触。しかし、ここにもヘルファイヤークラブの魔の手が伸びていました。サイクロップスは、ダズラーの協力とジーンの能力によって危機を脱しますが、そこにひとり逃れたキティから、ストームたちが捕まったという連絡が入ります。キティとダズラーの協力を得て、捕まったX-MENを救い出すサイクロップスでしたが、戦いの中で共に行動するうちにジーンの行動や感情に変化が出ていることに気付き始めます。
そんな中X-MENは、かつての仲間であり、社交界にも顔が利くエンジェルの協力を得て、ヘルファイヤークラブへの反撃に出ようとしまうが、幻影を操るマスターマインドによって、ジーンはヘルファイヤークラブの手に落ち、ブラッククイーンとしてX-MENの前に立ちはだかります。
大きくなっていくジーンの心の闇と、強大化するフェニックスの力。ついには宇宙規模の破壊力を持つダークフェニックスとして覚醒した彼女をX-MENは止めようとします。
4年間にわたって張られていた伏線が一気に回収され、X-MEN史上最大の悲劇が壮大なスケールで描かれます。本作のライターはクリス・クレアモント。話の合間に巧みに挿入される伏線と、逆転に次ぐ逆転の展開は、その人気を牽引していた最大のポイントであり、本作はそれが最大限に発揮されたクライマックスの物語であるからこそ、現在でも高い支持を得ています。さらにそれには、衣装や背景を細部まで描き込み、キャラクターを表情豊かに描くジョン・バーンのアートの力も貢献しているでしょう。「X-MEN史上最高傑作」という評価を得る本作の凄さを、ぜひその目で確かめてみてください。
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