2019.09.20
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今からでも間に合う!『グウェンプール』全5巻を総まとめ!

『グウェンプール:こっちの世界にオジャマしま〜す』で、日本デビューを飾った新世代スーパーヒロイン、グウェンプール。日本人アメコミアーティストのグリヒルさんが描く日本オリジナルカバーをもとにしたフィギュアも発売されました。今回は全25話・5巻にわけて展開されたグウェンプールの物語を振り返っていきましょう。

>>1巻『グウェンプール:こっちの世界にオジャマしま~す』のレビューはこちら!

2巻『グウェンプール:イカしたやつらが攻めてきた!』

  [ライター] クリストファー・ヘイスティング
  [アーティスト] グリヒル 他
  [訳者] 御代しおり
  [レーベル] MARVEL
  本体2,300円+税/B5/136P
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1巻で友人のセシルを殺され、仕方なくモードックの手下になったものの、幽霊となったセシルの力を使ってモードックを倒したグウェン。チーム・モードックのリーダーとなった彼女は、マイルス・モラレスと行動を共にすることになりますが、マイルスが通う学校を狙った爆弾魔事件を一緒に探ることに。犯人を見つけたグウェンは過激な行動に出てしまい…。後半では第1巻で登場したイカ星人ことテウシダンがNYを急襲し、仲間が捕らえられてしまいます。彼らの救出のためにグウェンがとった行動とは…?

3巻『グウェンプール:デップーなんかこわくない』

  [ライター] クリストファー・ヘイスティング
  [アーティスト] グリヒル 他
  [訳者] 御代しおり
  [レーベル] MARVEL
  本体2,500円+税/B5/160P
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グウェンは仲間から見限られ、チーム・モードックは早くも解散します。一人で傭兵稼業を続けるグウェンは、さまざまなヒーローとチームアップします。
吸血鬼に襲われた街ではブレイドと。殺し屋アーケードの作りだした遊園地「マーダーワールド」ではデッドプールと。幽霊となった友人セシルを実体化させるための冒険ではホークアイ(ケイト・ビショップ)&ゴーストライダー(ロビー・レイエス)とチームアップ。マーベルヒーローとの共演が楽しめる連作集になっています。

4巻『グウェンプール:第四の壁、破っちゃいました』

  [ライター] クリストファー・ヘイスティング
  [アーティスト] グリヒル 他
  [訳者] 御代しおり
  [レーベル] MARVEL
  本体2,300円+税/B5/112P
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本巻ではグウェンに隠された謎が明らかになります。マーベルユニバースにおける自分の実家で、グウェンは弟のテディと再会しますが、家に足を踏み入れると異世界への入口が開き、彼女は「現実」の世界に飛ばされます。現実世界でのグウェンは高校を中退していて、作家になりたいものの具体的には何もせず、家族から将来を心配されています。コミックスの世界にいたことを忘れ、厳しい現実に直面するグウェン。しかし次第に自分が現実ではなく、まだコミックの世界にいるのではないかと疑い始めます。

5巻『グウェンプール:さよならするのはつらいけど』

  [ライター] クリストファー・ヘイスティング
  [アーティスト] グリヒル 他
  [訳者] 御代しおり
  [レーベル] MARVEL
  本体2,400円+税/B5/120P
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ページ、コマの間を移動できる能力に目覚めたグウェンですが、その能力によって、自分の連載が残り数話であることを知ってしまいます。このままでは連載終了とともに消えてしまう……そこで連載が終わらないように、ドクター・ドゥームと対決したりと奮闘するも、自分が消えてしまうことは変えられないのを確信していきます。そんな中、彼女の前に思わぬ人物が現れるのでした。

自分がコミックの中の世界にいることがわかっていて、さらにはその世界観や各キャラクターの設定やコミックスのお約束もお見通しという、デッドプール以上のメタな能力を持つグウェンプール。その能力ゆえに様々な時空を超越していく彼女の物語は、「自分がマーベルの世界でヒーローになったら」というファンの妄想が実現したらどうなるかを描いたものだと言えるでしょう。
そのハチャメチャな行動、後先を考えない性格、かわいい外見だけを見れば本シリーズはライトな物語にも見えますが、自分が憧れのコミックスの世界で主役になるも、苦労を重ねていく姿が描かれており、物語の根底には「現実を直視しろ」というメッセージが隠れているようにも思えます。

文・石井誠(ライター)