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惨劇再び!デッドプール無双!
デッドプール・キルズ・マーベルユニバース・アゲイン
デッドプール・キルズ・マーベルユニバース・アゲイン(2018.05.25発売)

[ライター] カレン・バン
[アーティスト] ダリバー・タラジッチ
[訳者] 御代しおり
[レーベル] MARVEL
本体2,100円+税/B5/96P
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デッドプールが殺して殺して殺しまくる!
アメリカはもとより、日本でも大ヒットとなっている映画『デッドプール2』! 既存のアメコミヒーローの枠を越える「おしゃべりな傭兵」に大きな注目が集まる中、デッドプールらしい毒とバイオレンスに満ちた有名作品にまさかの続編が登場しました。その名は『デッドプール・キルズ・マーベルユニバース・アゲイン』!
デッドプールといえば、第四の壁を越える能力、支離滅裂な行動パターンというギャグ要素以外に、傭兵として最強クラスの殺戮能力があります。その力をマーベルユニバースのキャラクターに向けたらどうなるのか?そんな「もしも」にトライしたのが、『デッドプール・キルズ・マーベルユニバース』、『デッドプール・キラストレイテッド』、『デッドプール・キルズ・デッドプール』の三部作、通称「デッドプール・キルロジー」でした。
ある事件によって「この世界のキャラクターはマーベルコミックス編集部から搾取されている」という事実に気付いたデッドプールが、キャラクターたちを解放するために次々と彼らを殺していくというのが、シリーズ第1作『デッドプール・キルズ・マーベルユニバース』。
キャラクター、編集者、さらには読者までも殺したのに搾取が消えないことを知ったデッドプールが「ヒーローの存在を元から絶たねば!」とその源流となるシャーロック・ホームズ、ドン・キホーテ、ドラキュラなど古典作品の主人公を殺していくというシリーズ第2作『デッドプール・キラストレイテッド』。
その後の第3作『デッドプール・キルズ・デッドプール』ではデッドプールは別次元の自分自身をも抹殺しようと考え、それはデッドプール軍団同士の戦いへと発展していきます(第2・3作は『デッドプール・キラストレイテッド/デッドプール・キルズ・デッドプール』に収録)。
この「デッドプール・キルロジー」で大量殺戮シリーズは完結したかに思えたのですが、そんな中この『デッドプール・キルズ・マーベルユニバース・アゲイン』が発表されたのでした。
キルロジーシリーズとの違いとは?
本作はキルロジーとは異なるユニバースで展開される、ミステリー調の物語です。ヒーローを標的とした連続殺人事件が発生し、残忍な方法によって、シング、ヒューマントーチ、ブラックウィドウ、アイアンフィスト、ルーク・ケイジらが殺害され、その魔の手はX-MENにまで及びます。
この事件で恋人を失ったジェシカ・ジョーンズとミスティ・ナイトに加え、ケーブル、パニッシャー、ムーンナイト、ケイト・ビショプらが連続殺人事件の捜査を開始。現場に残された痕跡から、彼らはデッドプールが犯人であると目星を付け、その消息を追いますが、被害者は増えていくばかり。なぜデッドプールはヒーローたちを殺しているのか?
その背後にはある大物ビランたちのある計画があったのです……。
「第四の壁」を越えるメタ要素満載の設定の「キルロジー」とは対照的に、「アゲイン」は、デッドプールの大量殺戮を前作以上に盛り込みつつ、メタ要素のないミステリーとして読める構成になっています。
2017年9月~11月とつい最近連載されていた作品なので、ファルコン版キャプテン・アメリカ、グウェンプール、Ms.マーベル、ムーンガールといった比較的新しいヒーローも登場、彼らも殺戮の標的となっています。
映画『デッドプール2』を見て「悪趣味な描写が多い」と思ったデッドプール初心者も多いと聞きます。ですがデッドプールの悪趣味さは本作では(いい意味で)それ以上!それを確かめる上で本シリーズはうってつけと言えるでしょう。
第1弾『デッドプール・キルズ・マーベルユニバース』現在、漫画家・春壱さんのイラストによる限定生産・新装版として刊行されています(しかも980円!)。前作と合わせて、デッドプールならではの無双ぶりを楽しめる本作をぜひ読んでみてください。

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